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キャンピングカーに必要な運転免許は? 普通免許で運転できる車種や注意点を解説

軽自動車からバスまで、様々なボディタイプが存在するキャンピングカー。所有するだけでなくレンタルでの利用も一般的になってきた昨今、「自分が持っている運転免許でどんなキャンピングカーを運転できるのか?」を知っておいて損はないだろう。

この記事では、キャンピングカーを運転するときの免許について解説。これからキャンピングカーを買おうと思っている人、借りてみたいと思っている人は必見だ。

大半のキャンピングカーは普通免許で運転できる

結論から言うと、国内で売られているキャピングカーのほとんどは、普通自動車免許(以下、普通免許)で運転できる。

軽自動車やバンがベースの車種はもちろん、トラックやバスを架装したキャンピングカーも普通免許でOK。自走式だけでなく、けん引式であるキャンピングトレーラーも、多くは普通免許で運転可能だ。

ただし、運転免許を取得した時期やキャンピングカーの乗車定員によっては、中型免許の取得が必要になることもある。ちなみに、日本で一般流通されているキャンピングカーは、大型免許が必要になる車種はない。

普通免許で運転できるキャンピングカー

普通免許を取得した時期によって運転できる車の範囲は異なるが、どの時期に取得した人でも以下の範囲にある車なら運転できる。

  • 車両総重量3.5t未満
  • 乗車定員10人以下

日本で買えるキャンピングカーのほとんどは上記の範囲内。具体的には、以下のようなキャンピングカーをすべて普通免許で運転できる。ただし、オートマチック限定免許の場合は当然、AT車のキャンピングカーしか運転できない。通常の普通免許なら、MT車も運転できる。

バンコン小型・普通自動車のワンボックス車(バンorワゴン)をベースに、内装をキャンピングカーへと架装したタイプ。十分な就寝スペースがあり、乗車定員も確保できる。
キャブコン主にトラックをベースにキャンピングカーへと架装したタイプ。ベッドやシンクの他にシャワー、トイレなどを装備したものも。家族で快適にすごせる。
バスコンマイクロバスをベースにキャンピングカーへと架装したタイプ。ボディサイズは大きめだが、シンクやシャワー、トイレなどを装備したものが多く、自宅やホテルと同様の快適さを備える。
フルコンキャンピングカーのためにボディ全体を一から設計したタイプ。国産キャンピングカーでは存在せず、輸入車のみに用意されている。ボディサイズも大きめのものが多い。専用設計であるため居住空間が広く、デザイン性にも優れている。
セミフルコンバンやマイクロバスなどのボディ前部を残して後部をキャンピングカーにしたタイプ。国産キャンピングカーに位置付けられる。ボディが大きく、装備も豪華。ラグジュアリーな車種が多い。
トレーラー車に連結してけん引するタイプのキャンピングカー。大きさや装備内容は車種によって様々。普通免許では車両総重量750kg以下のトレーラーをけん引できる。
軽キャンパー軽自動車をベースに、キャンピングカーへと架装(=コンバージョン)したタイプ。居住スペースはミニマムで、就寝人数も少なめ。ただ、狭い道にも入りやすく、駐車場所を選ばない。価格もリーズナブルだ。
乗用車キャンパー乗用車ベースキャンパーとは、その名の通り乗用車をベースとしたキャンピングカー。主に車体自体にはあまり手を加えず、内装のみを車中泊仕様とした車を指す。日常使いしやすく、走行性能も良好だ。

普通免許の取得時期によって運転できる車種が異なる

普通免許は、過去に実施された改正の影響で、取得した時期によって運転できる車種が異なる。免許取得時期ごとの運転可能車種は以下のとおりだ。

免許取得時期車両総重量乗車定員最大積載量
2007年6月1日以前8t未満10人以下5t未満
2007年6月2日〜2017年3月11日5t未満10人以下3t未満
2017年3月12日〜3.5t未満10人以下2t未満
参考:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について(平成29年3月12日施行)」

ご覧のように運転できる車の種類はボディサイズでなく、車両総重量と乗車定員で決まる。8ナンバー登録車の場合、最大積載量に関する規定はないので、気にしなくて良い。

しかし、1または4ナンバーで登録する場合は最大積載量が決まっている。そのため、車種によっては最大積載量に注意する必要がある。

普通免許で運転できるキャンピングカーの車種

2017年(平成29年)3月12日以降に取得した普通免許でも、軽キャンパーからキャブコンまで幅広いボディタイプのキャンピングカーを運転できる。トレーラーも、車両総重量750kg未満なら、けん引免許なしでOKだ。

例えば「2名の旅行で狭い道にも入っていけるコンパクトさを重視して軽キャンパー」「家族4名で出かけるからバンコンやキャブコン」「車は日常使いしたいからトレーラー」と、家族構成や用途に応じて選ぶことができる。

普通免許で運転できるキャンピングカー例

準中型免許で運転できるキャンピングカー

準中型免許は2017年に新設された免許制度。前述のとおり、普通免許では取得した時期によって車両総重量3.5t未満もしくは5t未満の車までしか運転できないが、準中型免許では車両総重量7.5t未満の車まで運転可能。ただし、乗車定員10人以下という条件は普通免許と同じだ。

準中型免許は、普通免許を持っていなくても18歳以上なら取得できる。車両総重量が3.5〜7.4tの大型キャンピングカーを運転したいなら、取得が必要だ。なお、2007年6月2日以前に普通免許を取得した人は、同様の車を運転できる。

準中型免許で運転できるキャンピングカーの車種

準中型免許では、キャンピングカーの中でも大型のバスコンやフルコンも運転できる。居住空間はホテルライクで、装備内容も本格的なキッチンを備える車種を選べる。

就寝定員は5〜6名の場合が多い。キャブコンなどとさほど大きく変わらないが、それだけ空間を贅沢に使っていると言える。

準中型免許で運転できるキャンピングカー例

中型免許で運転できるキャンピングカー

中型免許では、車両総重量11t未満、乗車定員29人以下の車まで運転できる。バスコンやセミフルコンなどのベース車となるマイクロバスは乗車定員が26〜29人なので、運転するには中型免許が必須だ。

しかし、バスコンなどはシートを取り外し、乗車定員を10名以下としている車種がほとんど。キャンピングカーの場合、準中型免許でほとんどの車種を運転することが可能だ。

中型免許で運転できるキャンピングカーの車種

中型免許が必要となるのは、輸入キャンピングカーの中でも、ごく一部の車種。アメリカのクラスA(日本で言うフルコン)などが該当する。

超大型なボディだけに室内は広大。装備も最上級だ。日本にはほとんど輸入されず、今となっては5000万円を超える車種もざら。ド級の高級車ばかりとなっている。

中型免許で運転できるキャンピングカー例

  • 【フルコン】ティフィンモーターホームズ アレグロ ブリーズ 33BR
  • 【フルコン】ソーモーターコーチ ミラマー  37.1

けん引免許が必要なキャンピングカー

750kgを超えるキャンピングトレーラーを牽引する際には、けん引免許が必要になる。トレーラーのけん引には普通の車とは違う技術や知識が求められるためだ。

けん引免許には3種類あるが、車両総重量750kg〜2t未満の場合は「牽引小型トレーラー限定免許」でOK。それ以上の場合は通常の「牽引免許(第一種免許)」を取得しなければならない。なお、けん引免許の取得には、普通免許や準中型免許を取得していることが条件となる。

けん引免許が必要なキャンピングカーの車種

車両総重量750kgを超えるキャンピングトレーラーの多くはアメリカやヨーロッパからの輸入車だ。

中でも2tを超えるような大型のモデルでは自宅のリビング&ダイニング、ベッドルームをそのまま移動してきたかのような広大な空間と、快適な装備内容となる。

けん引免許が必要なキャンピングカー例

  • 【トレーラー】クナウス スポーツ500KD
  • 【トレーラー】ホビー 495UL Excellent Edition
  • 【トレーラー】エアストリーム フライングクラウド

キャンピングカーの免許に関するよくある質問

最後に、キャンピングカーの運転に必要な免許について、よくある疑問に回答する。

Q.キャンピングカーのレンタルカーも普通免許で運転できる?

レンタルカーでも、購入した場合と同様に、普通免許で運転できる。しかし、キャブコンやフルコンなど大型のキャンピングカーは通常の車と車両感覚や風の抵抗が異なる。運転に慣れが必要なので、レンタルカーを利用するなら、余裕をもって運転できるサイズの車種を選びたい。

Q.輸入車のキャンピングカーも普通免許で運転して良い?

もちろん問題なし。ただ、輸入キャンピングカーの多くはボディサイズが大きく、製造した国によっては左ハンドルであることも。国産キャンピングカー以上に、運転に慣れを要することは念頭に入れておこう。

Q.普通免許でキャンピングカーを選ぶ際の注意点は?

パンフレットや広告などに「普通免許で運転可」と書かれている車種でも、実は車両総重量3.5tを超えていたり、普通免許を取得した時期によっては運転できなったりするケースもある。無免許運転とならないよう、必ず車検証で車両総重量や乗車定員を確認すること。車両重量ではなく「車両総重量」である点に要注意だ。

また、1ナンバー(普通貨物)や4ナンバー(小型貨物)のキャンピングカーの場合、最大積載量もチェックしておく。これは、架装した装備も合わせた重量。荷物を積んだ際に普通免許の要件を超えてしまわないよう事前に確認しおこう。

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